歯科衛生士からコロナに感染するリスクは高いのか
2020.06.17

歯科衛生士からコロナに感染するリスクは高いのか
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  1. 歯科衛生士は一般的に感染リスクが高いと言われる要因
    1. 歯科衛生士は他の職種と比べてコロナ感染リスクは本当に高いのか?
      1. 口内ケアにより感染リスクは低減
        1. 歯科医院におけるコロナの現状は?
          1. 今、通院は自粛するべきなのか?
            1. もしも通院を自粛するなら…
              1. まとめ

                歯科衛生士は一般的に感染リスクが高いと言われる要因

                そもそも何故、歯科医院は感染リスクが高いと言われているのだろうか。

                それは、2020年3月下旬から4月上旬にかけ、歯科医院の感染リスクを示唆するような報道がなされた事による。

                3月15日のニューヨーク・タイムズの報道

                【The Workers Who Face the Greatest Coronavirus Risk – The New York Times March 15, 2020】
                このグラフの横軸は「仕事中の他人との距離の近さ」、縦軸には「病気や感染症に対する露出の程度」を示していて、歯科医師の感染リスクが非常に高いことが読み取れる。

                しかし、これらの情報を鵜呑みにしてはならない。

                情報は2年前の2018年5月のデータをもとに新聞社で独自に作成されたものであるということを理解する必要がある。

                歯科衛生士は他の職種と比べてコロナ感染リスクは本当に高いのか?

                実際、歯科衛生士は感染しやすい環境にあるのだろうか。

                普段からコロナ以外の感染リスクが身近なため感染症対策はしっかり行っている

                歯科医院の職員はコロナの流行以前から治療の際に飛び散る血液や唾液による、エイズや肺炎などのリスク管理を徹底している。

                その結果として、後述するが、歯科医院でのクラスター発生確率は極めて低いものとなっている。

                患者から歯科医師や歯科衛生士が感染するリスク、反対に歯科医師や歯科衛生士から患者に感染するリスクは過剰に心配するほどのことでもないように思える。

                口内ケアにより感染リスクは低減

                最近の研究では、口内ケアをしっかり行うことによりウイルス感染のリスクが減少することが分かってきている。

                特に歯周病菌はウイルスの体内への侵入を許す酵素を出すと言われている。

                口内のケアをしっかり行うことでウイルスへの免疫を高める効果が期待される。

                歯科医院におけるコロナの現状は?

                そうは言うものの、実際、歯科医院におけるクラスターの発生状況はどのようになっているのか。

                東京都、開業医コロナ発生率は0.04%

                包括的矯正歯科研究会による東京都内の新型コロナの影響調査によると、歯科医療従事者で感染したクリニックは1件、自粛で休診しているクリニックは0件、診療時間を短縮しているクリニックは約500件となっている。

                これらは調査対象クリニック2500件のうち、それぞれ0.04%、0%、20%となっており、歯科医院での感染リスクの低さを表している。

                このように実際に行われた調査を見ても歯科医院でのコロナ感染リスクは皆さんが恐れているほど高くはないのではないでしょうか。

                実際に発生したクラスター

                先ほどのデータから見ることができるように確立こそ低いものの、実際にクラスターが発生した事例がある。

                それはどのようなものなのか。

                三重県と滋賀県では実際に歯科医院でクラスターが発生した。

                しかし治療中の患者から歯科医師や歯科衛生士が感染したのではなく、従業員がマスクやグローブを外している休憩時間などの時間に従業員どうしで感染したものと思われる。

                つまり、歯科医院特有の要因が原因で発生したのではなく、単にもともと感染対策が甘かった歯科医院でクラスターが発生してしまったに過ぎないと思われる。

                ある感染者から4人に感染したと書いてはあるが、患者から感染したという記述や根拠はない。

                仮に、患者から感染が広まったクラスターであるというのなら、同じ時期に受診している患者から陽性反応が出ても不思議ではないが、そのような報告もない。

                受診時期の被っている患者の感染経路は辿るのが比較的用意なことを考えてもやはり、従業員どうしの感染を疑うのが自然に思える。

                今、通院は自粛するべきなのか?

                まず大前提として歯科治療の原則は「予防・早期発見・早期治療」であることの理解が必要不可欠である。

                記事によっては治療の自粛を促すようなものも存在するが、自身の治療状態を考慮して一人ひとりが自身に最適の反断を下すべきである。

                通院中に担当歯科医と相談をせずに自粛を決めてしまうと状態が悪化して取り返しがつかなくなってしまうことも考えられる。

                もしコロナの感染を恐れて、通院を中断しようとしているのならまずは担当の歯科医との相談をお勧めする。

                もしも通院を自粛するなら…

                通院を控える患者は下記のことに注意をしてほしい。
                1. 歯磨きの徹底
                2. 睡眠やバランスの取れた食生活
                3. 規則正しいリズムの生活
                歯科医院に通院しなくなると、自身でのケアがとても重要なものとなる。自粛により健康が保てなくなってしまうのは本末転倒である。

                もし、自粛を決めたのならこれらの管理を徹底して行いたい。

                まとめ

                以下で歯科医院とコロナの関係を簡単にまとめる。

                ・通院することで歯科衛生士や歯科医師から感染するリスクは極めて低い。
                →普段から感染症に対する徹底的な管理

                ・歯科衛生士の感染リスクが高いと言われる要因
                →2年前(2018年)のデータをもとにした新聞社の独自資料

                ・口内ケアにより感染リスクは減少
                →歯周病予防による免疫力の向上

                ・歯科医院で発生したクラスター
                →全体の0.04%
                →三重・滋賀のクラスターに関しては従業員どうしの感染が考えられる。